◇ 2025年5月14日(水)加齢研セミナーのご案内
日時: | 令和7年5月14日(水)15時00分~16時00分 |
場所: | 臨床加齢医学研究分野 スマート・エイジング棟 4階 セミナー室 |
演題: | ミトコンドリアゲノムと遺伝と加齢 |
講師: | 福永 久典 |
所属: | 北海道大学大学院保健科学研究院医用生体理工学分野 北海道大学環境健康科学研究教育センター |
担当: | 瀧 靖之 (臨床加齢医学研究分野・内線 8556) |
連絡先: | 舘脇 康子(臨床加齢医学研究分野・内線 8556) |
要旨: |
ミトコンドリアは16,569塩基対からなるマルチコピー環状ゲノム(mtDNA)を持っており、そのコピー数の異常はミトコンドリア機能障害に密接に関与するとともに、生物学的加齢に基づく様々な病態の一因になることでも知られる[1]。我々は、東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)から分譲された三世代7人家族(子、父母、母方祖父母、父方祖父母)149組、計1041名分の末梢血・臍帯血由来mtDNAコピー数を測定し、その分布から遺伝的連関や性差を明らかにし、母児mtDNAコピー数が出生アウトカムの予測に有望であることを示した[2]。また、最近、細胞質ゲノムに対する放射線の遺伝性影響として、妊娠前雌マウスのX線被ばくが産仔のmtDNAコピー数を低下させることを明らかにした[3]。本セミナーでは、このようなミトコンドリアゲノムに関する最近の知見を紹介するとともに、そのバイオマーカーとしての可能性について議論したい。 |