◇ 2025年2月21日(金)加齢研セミナーのご案内
日時: | 令和7年2月21日(金)15時30分~ |
場所: | 加齢医学研究所スマート・エイジング研究棟国際会議室 |
演題: | 癌と老化における細胞老化の役割:細胞老化研究の光と影 |
講師: | 原 英二 |
所属: | 大阪大学 微生物病研究所 分子生物学分野 |
担当: | 佐藤亜希子(統合生理学研究分野・内線8544) |
要旨: |
細胞老化は発がんを引き起こす可能性がある様々なストレスによって誘導される不可逆的な細胞周期停止機構であり重要な癌抑制機構として働いています。しかし、細胞老化を起こした細胞(老化細胞)は直ぐに死滅するわけではなく、体内に長期間存在し、炎症性サイトカインやケモカインなどの炎症物質を分泌するSASP と呼ばれる現象を伴うことが明らかになってきています。このため、加齢に伴い体内に老化細胞が蓄積することが、慢性炎症を引き起こし、生体機能の低下や癌を含めた様々な加齢性疾患の発症率が上昇する一因になっている可能性が指摘されており、癌抑制や抗老化の手段として体内に蓄積した老化細胞を除去する方法の開発が注目されています。しかし、体内からやみくもに老化細胞を除去すると生体機能の低下を引き起こす危険性があることも指摘されています。このため我々は体内に蓄積した老化細胞を除去するより、細胞老化を引き起こすストレスの発生原因を特定し、その原因物質を取り除く方がより安全かつ効果的であると考え、生体内で細胞老化を誘導する原因物質の特定に努めてきました。今回我々はその一つとして微生物に着目し、細胞老化を引き起こす微生物を同定し、その作用機序を明らかにしたので報告します。 *本セミナーは、学術変革領域研究Bマルチスケール4D生物学の創成「マルっと生物学」との共催です。 |