堀内 久徳
Hisanori HORIUCHI
 

子供の時からディスカッション


 


教育ということでは、小さい時の教育がより重要だと思う。赤ちゃんはミルクやおむつ交換を要求したときの周囲のレスポンスを学習して自分の行動を修正しているように見える。

幼児期、友達や兄弟とけんかをして泣きわめいているときの対応が重要だ。自分の状況と泣いている理屈や言い分を冷静に周囲に伝えるという訓練は、大人になってから大きく効く。感情を抑えて自分をコントロールして、しかも状況を判断して、論理だった説明をする学習である。泣きわめいている子供ににっこり笑って、じっくりとゆっくりと話を聞いてあげたいものだ。

小学校、中学校あたりでは、知識を増やして、課題に対する考え方について理解することが求められる。しかし、大人(あるいは科学者)になって重要なのは、知識と思考法をベースとしつつ、見えない重要点を見抜いて、自分からそのことについて解決策を考え始めるというプロセスを身につけることだ。

写真は、約25年前のドイツ留学中のものである。長男ののんと幼稚園のともだちのタニヤが次にどんな遊びをするかディスカッションしているように見える。人生についてディベートしているのかもかもしれない。このロジックの国では小さい頃から理詰めの議論をする。大人は目線を下げて理詰めで子供を諭す。子供の頃からの言葉のやりとりはすでに立派な社会教育であり、ドイツ人の理詰めの国民性の形成に大きく寄与している。その頃、体格はほぼ同じであったのんとタニヤであるが、いまでは体格に大きな差がある。弟のマークの身長は190 cmを超している。国民性も体格も、大人になればどんどん個性的になる。

名 前:堀内 久徳(ほりうち ひさのり)

出身地:奈良県
趣 味:囲碁、サッカー、美術鑑賞
分野名:基礎加齢研究分野