日時: | 平成31年2月22日(金)午後5時~ |
場所: | 加齢研実験研究棟7階 セミナー室1 |
演題: | カエデマウスを用いた、免疫細胞の臓器間移動情報に基づく免疫系の理解 |
講師: | 戸村 道夫 |
所属: | 大阪大谷大学薬学部 免疫学講座 |
担当: | 伊藤 甲雄(所属 生体防御学分野・内線8579) |
要旨: | 近年、皮膚・腸管などの末梢組織に存在する制御性T細胞(Treg)の生体恒常性維持における重要性が明らかになってきている。しかし、健常時から炎症時における、これらTregの動態・フェノタイプ・多様性・機能の変化、さらに、これらの関係は明らかとなっていない。我々の確立した、色変換蛍光タンパク質KaedeやKikGRを発現するマウスを用いた臓器幹細胞動態評価系は、目的部位に紫色の光を照射して細胞を赤色にマーキングし、細胞の臓器間移動を追跡できる(PNAS 2008, Sci Rep 2014)。 本講演では、当評価系を中心に用いて明らかにした、リンパ球再循環、末梢組織から移行する樹状細胞やTregのダイナミックス、皮膚炎部位からの移動情報と単細胞レベルの遺伝子発現解析を組み合わせて同定した、複数の免疫抑制分子を発現する高機能Treg (Sci Rep 2016)、さらに大腸炎症部位から移行する強い抑制作用を示すTregについて紹介します(Mucosal Immunol 2018)。 |