◇平成29年2月22日(水)加齢研セミナーのご案内
日時: 平成29年2月22日(水)午後5時~6時
場所: 加齢研実験研究棟7階 セミナー室1
演題: RNAネットワーク制御による慢性炎症性疾患の予防・治療への可能性
講師: 中村 能久
所属: シンシナティ小児病院
担当: 小笠原康悦(生体防御学分野・内線 8579)
要旨: 近年、肥満が、慢性的な炎症・炎症性反応を誘導し、2型糖尿病やアルツハイマー型認知症などの慢性疾患の発症・進行に関わっていることが明らかになってきました。これらの疾患では、 エネルギー代謝組織や脳においてインスリン抵抗性が誘導されることなど、共通の特徴が見いだされています。しかしながら、どのようにして炎症・炎症性反応が誘導され、病態発症・進行に関わっているのか、その共通点・相関性を解き明かし、予防・治療に繋げることを目的とした研究は端を開いたばかりです。
私たちは、肥満や加齢といった後天的な因子によるRNA-RNA結合タンパク質ネットワークの特異的変化に注目し、慢性炎症性疾患に共通する分子基盤の解明、および新しい治療戦略への応用を目指しています。本セミナーでは、二重鎖RNA経路とmicroRNA調節機構の役割について焦点をあて、肥満において、RNAネットワーク変化がエネルギー代謝制御や2型糖尿病の発症に与える影響について発表させていただきます。また、ここで得られた知見を基にして、他の慢性炎症性疾患への応用、およびアルツハイマー型認知症の発症機構の解明への可能性について議論をさせてください。