◇ 2024年12月12日(木)加齢研研究員会セミナーのご案内

日時: 令和6年12月12日(木)午後4時~
場所: 東北大学 加齢医学研究所 セミナー室(1)
演題: マウス性決定のエピジェネティック制御
講師: 立花 誠
所属: 大阪大学大学院生命機能研究科
担当: 林 陽平 (所属 医用細胞資源センター・内線8572)
要旨: ほ乳類では、胎仔期にY染色体上の性決定遺伝子Sryが発現することで、性的に未分化な生殖腺が精巣へと分化することが運命づけられる(性決定)。マウスでは、Sryは授精後11.5日胚の性的に未分化な生殖腺のごく一部の体細胞にのみ発現する。このような時期・細胞種特異的なSryの発現制御には未知の部分が多く残されていた。私たちは、ヒストン脱メチル化酵素であるKDM3AによるH3K9me2の除去がマウスSryの活性化に必須の役割を担っていることを過去に明らかにした。KDM3AによるH3K9me2の除去には、二価鉄(Fe2+)が必須である。最近になって私たちは、Sryを発現する生殖腺体細胞では鉄の取り込みやFe2+の産生に関わる遺伝子が高発現していることを見出した。本発表では、鉄の代謝がマウス性決定のエピジェネティック制御に果たす役割について最新の研究成果を交えて紹介する。