日時: | 令和元年11月11日(月)午後5時〜 |
場所: | 加齢研プロジェクト棟1階 中会議室 |
演題: | データ駆動科学による乳がん個別化医療への試み |
講師: | 清水 秀幸 |
所属: | 九州大学 生体防御医学研究所 分子医科学分野 |
担当: | 伊藤 甲雄(所属 生体防御学分野・内線8579) |
要旨: | 先進国における死因のトップはがんであり、その予後を層別化し個別化医療に役立てようという研究が盛んに行われている。乳がんの予後予測法も数多く開発されてきたが、それらは限られた疾患サブタイプにのみ適用可能だという問題点がある。今回我々は、公共データを活用した大規模メタアナリシスと、人工知能ベースの手法を融合させ、わずか23遺伝子の発現状態のみでさまざまな乳がん疾患サブタイプにおける予後を層別化できるユニバサール分子スコアを開発した。このスコアリングシステムは既存の分類法よりも優れており、化学療法の選択にも有用であった。驚くべきことに、これら23遺伝子の多くはこれまでほとんど研究されてこなかった遺伝子であり、経験ではなくデータに基づく科学の重要性も同時に示された。 本セミナーでは、乳がん分子スコアを題材に、人工知能の初歩と今後の生命医学研究における応用性について議論させていただきたい。 |